Residual Cancer Burden(RCB)は乳がん術前療法の予後を正確に予測
Residual cancer burden after neoadjuvant chemotherapy and long-term survival outcomes in breast cancer: a multicentre pooled analysis of 5161 patients
背景
Residual Cancer Burden(RCB; 残存腫瘍負荷)は、2007年に提案された術前化学療法後の残存病変を定量的に評価する方法で、小規模なコホート研究で予後との関連が示されている。University of California, San FranciscoのYauらは、ヨーロッパ・アメリカの12施設・試験から入手した、術前化学療法後に手術が行われたI-III期原発乳がん患者のRCB・臨床/病理ステージ・腫瘍サブタイプ/グレード・治療についてのデータをプール解析し、乳がんサブタイプごとのRCBと長期予後との関連を評価した(n=5,161)。
結論
RCBスコアは、それぞれのサブタイプで無イベント生存率の悪化と有意に相関した。各種因子について調整した多変量モデルにおいても同様であった。RCB単位あたりの調整ハザード比は、ホルモン受容体陽性・HER2陰性患者で1.69、ホルモン受容体陰性・HER2陽性患者で2.09であった。
評価
病理学的完全奏効(pCR;RCBスコア0に相当)か否かは術前治療の代替エンドポイントとして用いられることもあるが、その意義については議論がある。本研究は多様なコホートから得られたデータを元に、RCBスコアによる二値的でない指標化が高い一般性を持つことを示した。


