母親と子の「肥満相関」は、青年期には弱まる
Exploring the causal effect of maternal pregnancy adiposity on offspring adiposity: Mendelian randomisation using polygenic risk scores
背景
妊娠前・妊娠中に母親が高BMIであると子も高BMIの可能性が高いことが知られているが、この関連は長期的か。
英Imperial College LondonのBondらは、同国2コホート(Avon Longitudinal Study of Children and Parents[ALSPAC]・Born in Bradford [BiB])からの母子ペアデータに基づき、母親の妊娠前/妊娠初期のBMIと出生から青年期までの子の肥満との関連をメンデルランダム化(MR)解析した(n=ALSPAC[出生時] 9,339[幼時]8,659[青年時] 4,112。青年期肥満の判定には二重エネルギーX 線吸収測定法(DXA)によるFMIも使用し、MR解析の結果は多遺伝子リスクスコアと比較した。
結論
母親のBMIと子供の出生時体重との間に中程度の因果関係があったが、青年期の肥満に関しては強い因果関係はみられなかった。
評価
ICL疫学による、この問題に関する最も信頼度の高い解析で、母と児の肥満相関が初期には遺伝子・胎児期要因に関連して強い一方、長期的には児の生活習慣で弱まることを示唆した。

