心房シャントデバイスのHFpEFへの効果検証シャム対照試験が失敗:REDUCE LAP-HF II
Atrial shunt device for heart failure with preserved and mildly reduced ejection fraction (REDUCE LAP-HF II): a randomised, multicentre, blinded, sham-controlled trial
背景
左房の連続的減圧で左室負荷を低減する心房シャントデバイスのHFpEFへの有用性が期待されてきた。Northwestern UniversityのShahら(REDUCE LAP-HF II)は、EF40%以上の症候性心不全で、運動時PAWP25mmHg以上、右房圧5mmHg以上の患者(40歳以上)626名を対象として、同デバイスの有効性・安全性を検証するシャム手技対照RCTを行った。一次エンドポイントは、12ヵ月以内の心血管死または非致死性虚血性脳卒中、24ヵ月以内の総心不全イベント発生、12ヵ月時のKCCQ-OSスコア変化の階層的複合である。
結論
一次エンドポイントに群間差を認めず、またその全個別要素においても群間差はなかった。事前指定サブグループ解析では、20W運動時の肺動脈収縮期圧・右房容積指数・性別による効果差が示唆された。安全性に群間差はなかった。
評価
期待のデバイスの効果確定を目指したシャム対照本格国際多施設検証だったが、意外にも失敗した。 有効部分集団を析出する試みが続けられるとみられるが、確定には再びRCTが必要となろう。