血栓回収後のアルテプラーゼ動脈内投与で脳梗塞の機能的アウトカム改善:CHOICE試験
Effect of Intra-arterial Alteplase vs Placebo Following Successful Thrombectomy on Functional Outcomes in Patients With Large Vessel Occlusion Acute Ischemic Stroke: The CHOICE Randomized Clinical Trial
背景
主幹動脈閉塞による急性脳梗塞では血栓回収療法が主役となり、多くの患者で再灌流が達成されるが、機能的アウトカムには改善の余地がある。スペインHospital Clinic of BarcelonaのRenuらは、カタルーニャ地方の脳卒中センター7ヵ所で主幹動脈閉塞により発症24時間以内に血栓回収療法を受けた脳梗塞患者に対し、動脈内アルテプラーゼまたはプラセボを割り付ける第2b相ランダム化試験CHOICEを実施した。
結論
血栓回収療法を受けた1,825名のうち、748名がeTICIスコアが基準を満たし、121名(7%)がランダム化された。90日時点でmRSが0-1の患者の割合は、アルテプラーゼ群59.0%、プラセボ群40.4%であった。24時間以内の症候性脳内出血は各群0%、3.8%であった。また、90日死亡率はそれぞれ8%、15%であった。
評価
血栓回収療法では静脈内アルテプラーゼのスキップも検討されてきたが、本試験は血栓回収後の動脈内アルテプラーゼにより18%の機能的アウトカム差が生じることを示した。コロナ禍により、早期終了せざるを得なかった小規模な試験で、予備的な結果ではあるが、今後の大規模な検証に期待がかかる。