35歳以下では女性の方が脳梗塞リスクが高い?
Systematic Review of Sex Differences in Ischemic Strokes Among Young Adults: Are Young Women Disproportionately at Risk?
背景
従来、脳卒中の発症率は、すべての年代で女性より男性の方が高いと考えられてきたが、近年のエビデンスは、若年層では女性の脳梗塞が多い可能性を示唆している。University of ColoradoのLeppertらによるシステマティックレビューは、2008年から2021年に45歳以下の男女別脳卒中発症率を報告した集団ベース研究をを同定し、これらを統合した。
結論
若年成人での男女別脳卒中発症率を報告した19件の研究が特定された(うち3件は重複データ)。45歳以下での9件の研究は、男女差を認めなかった。30~35歳以上での3件の研究では、男性の脳梗塞発症率が高かった。また、35歳以下での4件の研究では、女性の方が脳梗塞発症率が高かった。全体として、35歳以下では女性の脳梗塞が多く(率比1.44)、35~45歳では有意な男女差はなかった(1.08)。
評価
一般的通念に反して、35歳以下では女性の方が44%も脳梗塞発症率が高いことを明らかにした。これまでのイメージに変更を迫る結果とも言えるが、データは限定的である。