cTnT値追跡で重症CKD高齢患者の死亡リスクを予測する  
  
    Association of Longitudinal High-Sensitivity Troponin T With Mortality in Patients With Chronic Kidney Disease  
    
  
背景
冠性心疾患患者の長期追跡データにより、cTnTの上昇が全原因死亡リスクと関連することが明かになっている。オランダUniversity of AmsterdamのChesnayeら(EQUAL:European QUALity)は、65歳以上のステージ4/5慢性腎臓病(CKD)患者を対象に、cTnTと生存の長期的関連を評価した(n=176)。
結論
中央値2.4年の追跡(全体的5年生存率57%)で、cTnTは死亡リスクと独立して関連した(任意時点でのcTnT値1SD増加ごとの死亡HR:3.3)。cTnT の変化勾配および軌跡下面積も死亡リスク増と関連した(HR:各3.2・4.2)。
評価
著者らの結論は、累積的cTnT曝露はCKD患者の死亡リスクと関連するというものだが、長期的高値は腎機能劣化を示すものともみられる。いずれにしても重要な観点であり、大規模前向検証に値する。

