感染性肘頭滑液包炎は抗菌薬療法のみで治癒可能
Efficacy of empiric antibiotic management of septic olecranon bursitis without bursal aspiration in emergency department patients
背景
感染性(Septic)肘頭滑液包炎に関するガイドラインでは、抗菌薬療法に先立って排膿・吸引を行うことが推奨されることがあるが、臨床的エビデンスは不足している。Mayo ClinicのBeydeらは、2011〜2018年に肘頭滑液包炎を伴い救急を受診した患者の後向コホートにおいて、吸引を伴わない経験的抗菌薬療法のアウトカムを調査した(n=264)。
結論
1.5%が救急で吸引を受け、14.7%が入院、28.6%が抗菌薬療法なしで救急から帰宅、55.3%(147名)は経験的抗菌薬療法を受け、帰宅となった。経験的抗菌薬療法を受けフォローアップが行われた134名のうち、88.1%が合併症なく治癒し、6.0%(8名)はその後吸引を受け、6.7%(9名)は入院し、抗菌薬投与を受けた。
評価
感染性が疑われる肘頭滑液包炎患者の多くで吸引なしに経験的抗菌薬療法が行われていたが、そのほとんどで合併症はみられなかった。初期管理として抗菌薬療法単独が合理的であることを示唆するデータである。