市中肺炎小児での外来抗菌薬療法は5日まで短縮できる:SCOUT-CAP試験
Short- vs Standard-Course Outpatient Antibiotic Therapy for Community-Acquired Pneumonia in Children: The SCOUT-CAP Randomized Clinical Trial
背景
世界的な抗菌薬使用の適正化が叫ばれており、市中肺炎(CAP)に対する抗菌薬療法も期間の短縮が検討されている。Vanderbilt UniversityのWilliamsらは、外来クリニック・緊急ケア・救急ケアの非重症CAP小児(6~71ヵ月)を対象に、当初処方された抗菌薬療法の6日目に、さらに5日間の同一抗菌薬またはプラセボの投与を割り付けるランダム化比較試験SCOUT-CAPを実施した(n=380)。
結論
一次アウトカムである抗菌薬リスク期間で調整された治療終了時の奏効(RADAR)について、短期抗菌薬療法がまさる可能性は69%であった。原核細胞あたり抗菌薬耐性遺伝子(RGPC)についてのレジストーム解析は171名で行われ、全RGPC、βラクタム系RGPCとも短期抗菌薬療法群で有意に低かった。
評価
短期群では抗菌薬曝露・耐性が抑制され、アウトカムも優れていた。SAFER試験(http://doi.org/10.1001/jamapediatrics.2020.6735)とともに、CAPでの抗菌薬期間短縮を後押しするエビデンスである。