3VD・LMCADのDM患者にはCABGかPCIか:SYNTAXES10年結果
Ten-year all-cause death after percutaneous or surgical revascularization in diabetic patients with complex coronary artery disease
背景
SYNTAXESはLMT病変および多枝病変に対するPCIとCABGの効果を検証した古典的臨床試験である。英国Imperial College LondonのSerruysらは、同試験でCABG/PCIに割り付けられた、3枝病変(3VD)および/または左主冠動脈疾患(LMCAD)患者における糖尿病(DM)ステータスと10年全死因死亡率の関連を解析した。
結論
DM患者(n=452)では5年死亡リスクはCABGに比してPCIで高かったが(HR:1.53)、5年〜10年では逆転した(HR:0.82)。DMステータスに関係なく、PCIとCABGとの間に10年の全死因死亡率に有意差はなかったが、インスリン治療患者(n=182)では10年全原因死亡率はPCIで高かった(47.9% vs.39.6%)。
評価
長年の重要テーマで、最近ではFREEDOMが、中央値7.5年追跡結果でCABGに軍配を上げている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30428398/)。この解析は古典的試験の最長追跡解析だが、「有意差なし」とした。著者らはインスリン治療患者ではCABGが良いかもしれないと示唆しているが、差は統計的には有意でない。EHJ誌上でも論争が展開されている(https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article/doi/10.1093/eurheartj/ehac003/6523389)。