乳房浸潤性小葉がんのリスクと関連するがん素因遺伝子を特定
Germline Pathogenic Variants in Cancer Predisposition Genes Among Women With Invasive Lobular Carcinoma of the Breast
背景
小葉がんは乳がんの5〜10%を占め、がん素因遺伝子における病原性変異の関与は十分明らかにされていない。Mayo ClinicのYadavらは、集団ベースコホートからの浸潤性小葉がん(ILC)女性2,999名と臨床的に多遺伝子パネル検査を受けたILC女性3,796名において、乳がん素因遺伝子の生殖細胞系列病原性変異の頻度を検討した。
結論
乳がん素因遺伝子における病原性変異の頻度は、集団コホートのILC女性で5.2%、臨床コホートでは6.5%であった。症例対照解析では、CDH1・BRCA2の病原性変異はILCの高いリスク(オッズ比4以上)と関連、CHEK2・ATM、・PALB2は中程度のリスク(オッズ比2-4)と関連した。BRCA1とCHEK2p.Ile157Thrはリスクと関連しなかった。
評価
大規模データから、小葉がんにおけるがん素因遺伝子病原性変異の関与を明らかにした。全体としては乳管がんと同等の変異頻度であり、多遺伝子パネル検査の実施が妥当かもしれない。