糖化Apo-Jは超早期ACSのバイオマーカー
Glycosylated apolipoprotein J in cardiac ischaemia: molecular processing and circulating levels in patients with acute ischaemic events
背景
プロテオミクス解析の進展によりAMIの新規診断バイオマーカーの開発が進んでいる。スペインHospital Santa Creu i Sant PauのBadimonらは、心筋細胞・ブタ心筋梗塞モデル・6時間以内AMI患者(n=38)・STEMI後患者(n=144)・対照非虚血性心血管疾患患者における糖化アポプロテインJ(ApoJ-Glyc)の生体内動態を検討し、バイオマーカーとしての有効性を評価した。
結論
虚血心筋細胞では非糖化型ApoJが細胞内蓄積し、ブタAMIモデルでは発症15分で血中ApoJ-Glyc濃度低下がみられた。ApoJ-Glycは非虚血性心疾患患者に比べ、早期AMI患者では45%減少し、虚血イベントの検知が可能であった(AUC: 0.934)。入院時ApoJ-Glyc低レベルのSTEMI患者は、虚血イベント再発・死亡率が有意に高かった。
評価
動脈硬化の進展における役割が示唆されてきたApoJだが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4725565/)、糖化型がACSバイオマーカーとなるという提案は初めてである。hs-TnTとの比較が直ちに求められる。