ICU入室COVID-19患者の1年アウトカム:オランダ
Clinical Outcomes Among Patients With 1-Year Survival Following Intensive Care Unit Treatment for COVID-19
背景
新型コロナウイルス感染症COVID-19では、多くの患者が重症化し集中治療室(ICU)での治療を必要としたが、その長期的症状はどのようなものか。オランダRadboud UniversityのHeesakkersらは、同国11施設のICUで探索的前向コホート研究を実施し、2020年3月から2020年7月にICUに入室し生存退院した16歳以上のCOVID-19患者における1年後の身体・精神・認知的症状を評価した(n=452)。
結論
患者の302名(66.8%)が1年目のフォローアップの対象となり、このうち246名(81.5%)が回答した。ICU治療後1年時点で、74.3%が身体症状を有し、26.2%が精神症状を、16.2%が認知症状を有した。最も多く報告された身体的問題は、衰弱・関節拘縮・関節痛・筋力低下・筋痛症であった。
評価
重症COVID-19の長期的な影響(long COVID)はほとんど分かっておらず、本論文はこのギャップを埋める貴重な報告である。他疾患のICU後患者と同様、多くの患者が長期的に身体症状を報告しており、半数以上は完全な復職に至っていなかった。後遺症フォローアップの重要性を強調する結果である。