ICU入室COVID-19患者の1年アウトカム:オランダ
Clinical Outcomes Among Patients With 1-Year Survival Following Intensive Care Unit Treatment for COVID-19

カテゴリー
救急医療
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
January 2022
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背景

新型コロナウイルス感染症COVID-19では、多くの患者が重症化し集中治療室(ICU)での治療を必要としたが、その長期的症状はどのようなものか。オランダRadboud UniversityのHeesakkersらは、同国11施設のICUで探索的前向コホート研究を実施し、2020年3月から2020年7月にICUに入室し生存退院した16歳以上のCOVID-19患者における1年後の身体・精神・認知的症状を評価した(n=452)。

結論

患者の302名(66.8%)が1年目のフォローアップの対象となり、このうち246名(81.5%)が回答した。ICU治療後1年時点で、74.3%が身体症状を有し、26.2%が精神症状を、16.2%が認知症状を有した。最も多く報告された身体的問題は、衰弱・関節拘縮・関節痛・筋力低下・筋痛症であった。

評価

重症COVID-19の長期的な影響(long COVID)はほとんど分かっておらず、本論文はこのギャップを埋める貴重な報告である。他疾患のICU後患者と同様、多くの患者が長期的に身体症状を報告しており、半数以上は完全な復職に至っていなかった。後遺症フォローアップの重要性を強調する結果である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(救急医療)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Critical Care Medicine (Crit Care Med)、The New England Journal of Medicine (NEJM)