PADへのEVTは外科的血行再建より長期死亡リスクが高い?
Long-term outcomes following endovascular and surgical revascularization for peripheral artery disease: a propensity score-matched analysis
背景
末梢動脈疾患(PAD)での血管内治療(EVT)と外科的血行再建術は、どちらが死亡・MALE(急性下肢虚血・緊急再血行再建・下肢切断)抑制効果が高いか。オーストラリア SAHMRIのParvarらは、同国およびニュージーランドにおけるPAD患者を対象に傾向スコアマッチングを用いた後向コホート解析を行った(各14,339名:観察期間中央値 4.2年)。
結論
死亡・MALE リスクはEVT群が有意に高く(HR: 1.13, p<0.001)、これは専らEVT群での高死亡率によるものだった(HR: 1.16, p<0.001)。
評価
重要争点に関する大規模後向解析で、長期アウトカムはEVTが劣るとしたが、術後薬物治療の詳細情報がマッチングに含まれていないなど、問題点が指摘されている。Paclitaxel-DCDの死亡リスクや動脈病変の血行動態等多様な側面を含むリアルワールド評価には、AIの導入も考慮されるべきかもしれない。