高齢者機能評価に基づく学際的介入により化学療法毒性を軽減
Geriatric Assessment-Driven Intervention (GAIN) on Chemotherapy-Related Toxic Effects in Older Adults With Cancer: A Randomized Clinical Trial
背景
がん治療による副作用は高齢の患者でより大きな負担となるため、リスクアセスメントが重要となる。City of Hope Comprehensive Cancer CenterのLiらは、アメリカNational Cancer Instituteがんセンターで新たに化学療法を開始する65歳以上の固形がん患者を登録し、高齢者機能評価(Geriatric Assessment)に基づく介入(GAIN)が化学療法関連の毒性を軽減できるか検証するランダム化比較試験を実施した。
結論
605名の患者が、2:1でGAIN群と標準治療群に割り付けられた。年齢中央値は71歳で、がんの種類は消化器がん、乳がん、肺がんなどで、71.4%がステージIVであった。グレード3以上の化学療法関連毒性は、GAIN群の50.5%、標準治療群の60.6%で発生した。事前指示書の作成率はそれぞれ28.4%、13.3%であった。救急受診・計画外入院・平均入院期間・計画外再入院・化学療法用量変更または中止・全生存期間に有意差は認められなかった。
評価
高齢者がん診療の一部として治療選択などに活用されるGAだが、このRCTはGAに基づく学際チーム介入が、化学療法の副作用を軽減しうることを実証した。