トリプルネガティブ乳がんでNOS阻害剤が有望:第1/2相試験
A phase 1/2 clinical trial of the nitric oxide synthase inhibitor L-NMMA and taxane for treating chemoresistant triple-negative breast cancer
背景
誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)シグナル経路は、トリプルネガティブ乳がんの予後不良と関連しており、NOS阻害剤NG-モノメチル-L-アルギニン(L-NMMA)によるiNOS経路の阻害が腫瘍増殖を抑制することが示唆されている。Houston Methodist Cancer CenterのChungらは、化学療法抵抗性の局所進行乳がんまたは転移性トリプルネガティブ乳がん患者を対象に、L-NMMAとタキサンの併用を検討する第1/2相試験を実施した。
結論
ドセタキセルと組み合わせたL-NMMAの最大耐量を検討した第1相では15名、有効性を評価した第2相では24名が治療を受けた。全奏効率は45.8%、局所進行乳がん患者では81.8%、トリプルネガティブ乳がん患者では15.4%であった。局所進行乳がん患者(n=11)の3名は、手術時に完全奏効が得られた。グレード3以上の有害事象は21%で認められたが、L-NMMAに起因するものはなかった。
評価
ファースト・イン・クラスの臨床試験で、局所進行患者の大半とトリプルネガティブ乳がんの一部に奏効を認めた。第3相試験での検証が計画されている。