救急でコロナ陽性となった小児の3%が重篤化、0.1%が死亡
Outcomes of SARS-CoV-2-Positive Youths Tested in Emergency Departments: The Global PERN-COVID-19 Study
背景
COVID-19に罹患した子供の重症化リスクは大人に比べて低いとされるが、一定程度は重症・死亡に至り、そのリスク因子は十分明らかにされていない。カナダUniversity of CalgaryのFunkらは、世界10ヵ国41施設の救急部門で、2020年3月から2021年6月にSARS-CoV-2陽性診断を受けた18歳未満の患者(n=3,222)における重篤アウトカムの割合と関連因子を検討した。
結論
52.6%が男児、15.0%が慢性疾患を自己申告しており、年齢は中央値3歳であった。14日間のフォローアップ後、22.8%が入院しており、3.3%が重篤アウトカム(集中治療、重度の臓器不全)、0.1%(4名)が死亡していた。重篤アウトカムと関連する背景として、5〜18歳・慢性疾患・肺炎既往・症状発現時期(救急受診4〜7日前)などがあった。検査後に救急から帰宅したサブグループでは、入院率2.0%、重篤アウトカム率0.5%であった。入院小児患者では、SARS-CoV-2陽性患者で重症化リスクが高かった。
評価
PERN国際コンソーシアムで行われた研究で、小児COVID-19のアウトカムに関する詳細なデータをもたらした。救急の小児COVID-19患者の3%が重症化し、0.1%が死亡した一方、初診時に帰宅の判断がなされた状態良好な児では重症化は非常に稀であった。

