母親の肥満は子の大腸がんリスクか
Maternal obesity, pregnancy weight gain, and birth weight and risk of colorectal cancer
背景
肥満は大腸がんのリスク因子であり、胎児期・幼小児期の肥満も成人後の大腸がん発症への影響が示唆されている。University of Texas Health Science Center at HoustonのMurphyらは、カリフォルニア州オークランドで1959〜1966年に周産期医療を受けた女性の前向コホートChild Health and Development Studiesにおいて、母親(n=14,507)の肥満、妊娠中の体重増加、出生時体重と子(n=18,751)の成人後の大腸がんとの関連を検証した。
結論
738,048人年のフォローアップ期間中に68件の大腸がん診断があり、半数は50歳未満でも診断であった。母親の肥満(BMIが30以上)はこの大腸がんリスクを増加させた(調整ハザード比2.51)。妊娠中の総体重増加は妊娠初期の体重増加率との関連に影響しており(相互作用による相対過剰リスク-4.37)、妊娠初期と後期の不一致がリスクを高めることが示唆された。出生時体重もリスクの増加と関連した(4000 g以上でハザード比1.95)。
評価
妊娠中のイベントが胎児の成人後の大腸がんリスクに関連することを示唆した。近年アメリカなどで増加している早期発症大腸がんに関する説明因子として注目される。