ステージ4CKD患者の高血圧治療にサイアザイド?
Chlorthalidone for Hypertension in Advanced Chronic Kidney Disease
背景
進行した慢性腎臓病(CKD)患者の高血圧治療では、サイアザイド利尿薬は遠ざけられている。Richard L. Roudebush Veterans Affairs Medical CenterのAgarwalら(CLICK)は、ステージ4CKDのコントロール不良高血圧患者160名(ベースラインeGFR=23.2mL/分/1.73 m2)を対象として、クロルタリドンの有効性・安全性を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、24時間自由行動下収縮期血圧のベースラインから12週目までの変化である。
結論
クロルタリドンの一次アウトカム効果を認めた(群間差:-10.5 mmHg)。UACR変化率でもクロルタリドン群がプラセボ群より50パーセントポイントが低かった。低カリウム血症・血清クレアチニン値可逆的上昇・高血糖・めまい・高尿酸血症の発生頻度はクロルタリドン群のほうがプラセボ群よりも高かった。
評価
サイアザイドはGFRが30mL/min/1.73m2以下になると効きにくくなる、という常識を覆す新研究である。CKD自体にも良いことを示唆して全般的見直しを促す結果だが、「安心・安全」と言える薬でないことも再確認している。