STEMI-PCI後は24時間で退院し、遠隔医療フォローアップ
Early Hospital Discharge Following PCI for Patients With STEMI
背景
PCI後の早期退院は患者QOL向上や医療資源の確保に有益である。イギリス Queen Mary University of LondonのJonesらは、2020/03〜2021/06に入院し、PCIを受けたMACE低リスクのSTEMI患者で、48時間未満に退院した600名を対象として、早期退院の安全性を検討する前向比較研究を行った(対照: 48時間以降の退院者 [n=700])。フォローアップは退院後48時間に循環器専門看護師による電話問診・心臓リハビリテーション指導、2週・6週・8週・3ヵ月後の循環器チームによるオンライン診療を行った。
結論
早期退院群の入院期間中央値は24.6時間(vs. 対照群: 56.1時間)であり、観察期間(中央値: 271日)における死亡は2名 (COVID-19感染による)、MACE率は1.2%(vs. 1.9%)であった。患者満足度は85%(vs. 73%)と有意に高かった (p<0.001)。
評価
病床数不足に脅かされたパンデミック下の英国から、STEMI-PCI後の早期退院ならびに遠隔医療の成功を報告した。米では48時間後退院が範例化しているが、「24時間でよい」とする方向を打ち出した。経験豊富な循環器チームと遠隔医療システムの存在を前提して成り立つ議論である。


