STEMI-PCI後は24時間で退院し、遠隔医療フォローアップ
Early Hospital Discharge Following PCI for Patients With STEMI

カテゴリー
循環器
ジャーナル名
Journal of the American College of Cardiology
年月
December 2021
78
開始ページ
2550

背景

PCI後の早期退院は患者QOL向上や医療資源の確保に有益である。イギリス Queen Mary University of LondonのJonesらは、2020/03〜2021/06に入院し、PCIを受けたMACE低リスクのSTEMI患者で、48時間未満に退院した600名を対象として、早期退院の安全性を検討する前向比較研究を行った(対照: 48時間以降の退院者 [n=700])。フォローアップは退院後48時間に循環器専門看護師による電話問診・心臓リハビリテーション指導、2週・6週・8週・3ヵ月後の循環器チームによるオンライン診療を行った。

結論

早期退院群の入院期間中央値は24.6時間(vs. 対照群: 56.1時間)であり、観察期間(中央値: 271日)における死亡は2名 (COVID-19感染による)、MACE率は1.2%(vs. 1.9%)であった。患者満足度は85%(vs. 73%)と有意に高かった (p<0.001)。

評価

病床数不足に脅かされたパンデミック下の英国から、STEMI-PCI後の早期退院ならびに遠隔医療の成功を報告した。米では48時間後退院が範例化しているが、「24時間でよい」とする方向を打ち出した。経験豊富な循環器チームと遠隔医療システムの存在を前提して成り立つ議論である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(循環器)

Journal of the American College of Cardiology(JACC)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、American Heart Journal (AHJ)、Circulation、The Journal of the American Medical Association(JAMA)