PFO閉鎖術の治療効果をRoPE・PASCALスコアで層別化
Heterogeneity of Treatment Effects in an Analysis of Pooled Individual Patient Data From Randomized Trials of Device Closure of Patent Foramen Ovale After Stroke
背景
卵円孔開存(PFO)へのデバイス閉鎖術の治療効果には個人差のある可能性がある。Tufts UniversityのKentらは、潜在性脳梗塞後のPFO閉鎖術+薬物療法 vs 薬物療法単独を比較した6つのRCTの個別患者データ(n=3,740)を用いて、PFOリスクスコア(RoPE・PASCALスコア)による層別化を行い、治療効果差を解析した。
結論
PFO閉鎖術群で虚血性脳梗塞再発は有意に低かった(aHR: 0.41)。閉鎖術による2年絶対リスク減少率は、RoPE≧7点で2.1% と有意に高く、<7点では1.1% と差はなかった。同様に、PASCAL分類でProbable・Possibleでは各2.1%・2.1%であったが、Unlikelyでは-0.7%とリスク軽減に寄与しなかった。
評価
閉鎖術が、PFO関連脳梗塞の可能性が高い患者で個別化して推奨されうることを大規模データで説得的に示した。一方、JAMAEditorialは、RoPEやPASCAL分類では一部のESUS因子のみ評価されており、層別化は不十分であり、潜在性の発作性AFや脳血管攣縮といった可逆的な因子や、心血管エコーによる他の構造異常の総合評価が適応判断に必要不可欠である、としている。


