再発卵巣がんでの腫瘍減量手術、DESKTOP III試験は生存益示す
Randomized Trial of Cytoreductive Surgery for Relapsed Ovarian Cancer
背景
再発卵巣がんにおける二次腫瘍減量術(secondary cytoreduction)をめぐっては複数のランダム化比較試験が行われ、GOG-0213試験は生存ベネフィットを示せなかった一方、SOC-1試験は無増悪生存期間における優位を示している。ドイツKliniken Essen-MitteのHarterらによるDESKTOP III試験は、プラチナ療法後6ヵ月以上を経て再発した再発卵巣がん患者を、プラチナ化学療法に先行して二次腫瘍減量術を行う群またはプラチナ化学療法のみを行う群に割り付け、全生存期間を比較するランダム化試験であった(n=407)。
結論
腫瘍減量術群の75.5%で完全切除が達成された。全生存期間の中央値は、腫瘍減量術群で53.7ヵ月、化学療法のみ群では46.0ヵ月であった(ハザード比0.75)。完全切除が達成された患者のアウトカムが最も良好で、全生存期間中央値は61.9ヵ月であった。予後因子によるサブグループの全てで腫瘍減量術のベネフィットが認められた。1年後のQOL評価には群間差はなく、術後30日以内の死亡も認められなかった。
評価
再発卵巣がん患者における腫瘍減量術が生存期間を延長することを実証した。患者選択を最適化する上で、ネガティブに終わったGOG-0213試験との違いを探ることは重要で、両試験を含むメタアナリシスが行われる予定である。