再発・難治T細胞性ALLで抗CD7 CAR-T細胞療法が高い完全寛解率:第1相試験
Donor-Derived CD7 Chimeric Antigen Receptor T Cells for T-Cell Acute Lymphoblastic Leukemia: First-in-Human, Phase I Trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
October 2021
39
開始ページ
3340

背景

急性リンパ性白血病(ALL)に対するキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法は、B細胞性ALLを中心に開発が進んでいるが、T細胞性ALLについてはオプションが限られる。中国Beijing Boren HospitalのPanらは、再発・難治性T細胞性ALLを対象に、ドナー由来の抗CD7 CAR-T細胞療法を単回投与し、安全性と有効性を評価する単施設第1相試験を実施した(n=20)。

結論

有害事象としてグレード1-2のサイトカイン放出症候群が90%、グレード3-4が10%で、グレード3-4の血球減少症が100%、グレード1-2の神経毒性が15%、グレード1-2の移植片対宿主病が60%、グレード1-2のウイルス活性化が20%で発生した。真菌性肺炎による肺出血で死亡した1名を除き、全ての有害事象は可逆性であった。90%で完全寛解が達成され、7名で幹細胞移植へと進んだ。フォローアップ期間中央値6.3ヵ月時点で、15名で寛解が持続していた。また投与後6ヵ月で評価を受けた5人全員でCAR T細胞が検出された。

評価

T細胞性ALLで発現するCD7を標的としたCAR-T細胞療法で、再発・難治T細胞性ALLにおいて高い奏効率を示した。第2相試験が進行中である。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)