高齢者機能評価はがん治療の毒性を軽減できるか:GAP70+試験
Evaluation of geriatric assessment and management on the toxic effects of cancer treatment (GAP70+): a cluster-randomised study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet
年月
November 2021
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開始ページ
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背景

がん治療による副作用は高齢の患者でより大きな負担となるが、高齢者機能評価(geriatric assessment)は副作用を軽減できるか。University of Rochester のMohileらは、治癒困難な固形がん・リンパ腫を有する70歳以上の患者を、主治医がGAのサマリーと管理に関する推奨事項を受けるGA介入、または通常ケアのみに割り付けるクラスターランダム化試験を実施した(n=718)。

結論

グレード3-5有害事象が発生した患者の割合は介入群で51%、通常ケア群では71%と、介入群で少なかった(相対リスク0.74)。介入群では3ヵ月間の転倒リスクが低く(調整相対リスク0.58)、投薬の中止が多かった。

評価

高リスク治療の管理にGAを統合することで、副作用が抑制されることを実証した。GAによるリスクアセスメントは、現代の高齢者がん治療の不可欠な一部である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)