乳がん術後治療としてのセレコキシブは無益:REACT試験
Effect of Celecoxib vs Placebo as Adjuvant Therapy on Disease-Free Survival Among Patients With Breast Cancer: The REACT Randomized Clinical Trial
背景
COX-2はがんの発生・進展に関与していることが知られ、COX-2阻害薬のがん治療への追加が与える影響について検証が進んでいる。イギリスImperial College LondonのCoombesらは、完全切除されたERBB2陰性原発乳がん患者における2年間の術後補助治療として、セレコキシブまたはプラセボを2:1で割り付ける第3相ランダム化比較試験REACTを実施した(n=2,639)。
結論
73%の患者がER陽性またはPgR陽性、かつERBB2陰性であった。48%はリンパ節転移陽性、42%はグレード3腫瘍であった。フォローアップ期間中央値74.3ヵ月で、無病生存率イベントは、セレコキシブ群の18%、プラセボ群の19%、5年DFSはそれぞれ84%、83%、無調整ハザード比は0.97であった。副作用発生率は両群とも低かった。
評価
CCTG MA.27試験と同じく(https://doi.org/10.1093/jnci/djy017)、術後補助治療としてのセレコキシブに利益を認めなかった。アスピリンを検証するAdd-Aspirin試験、ABC試験も行われており、乳がんにおける炎症とCOX阻害の役割についてさらなる理解をもたらすだろう。