ヒト化CD19標的CAR T療法でCAR治療歴のあるALLでも寛解
Humanized CD19-Targeted Chimeric Antigen Receptor (CAR) T Cells in CAR-Naive and CAR-Exposed Children and Young Adults With Relapsed or Refractory Acute Lymphoblastic Leukemia
背景
キメラ抗原受容体導入T細胞療法(CAR T療法)では、CARに含まれるマウス由来scFvに対する免疫応答により、CAR T療法への抵抗が生じる可能性がある。Children's Hospital of PhiladelphiaのMyersらは、再発・難治性となったB細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)またはB細胞リンパ芽球性リンパ腫の小児/若年患者を対象に、ヒト化CD19 CAR T細胞製剤(huCART19)を投与するパイロット臨床試験を実施した(n=74)。
結論
1歳から29歳の患者がhuCART19の投与を受けた。サイトカイン放出症候群は84%で発症し、6.8%(5名)がグレード4であった。神経毒性は39%、4%がグレード3・4であったが、全例で完全に解消した。投与1ヵ月時点での全奏効率は、CAR T療法歴のない患者コホート(n=41)では98%、再治療コホート(n=33)では64%であった。6ヵ月時点で初回患者の27%、再治療患者の48%がhuCART19を失っていた。12ヵ月・24ヵ月での無再発生存率は、初回患者で84%・74%、再治療患者で74%、58%であった。
評価
初めてCAR T療法を受ける患者だけでなく、CAR T療法歴を有する患者においても高い奏効が見込めることを明らかにした。CAR T療法後再発患者に新しい希望をもたらすアプローチである。