リキッドバイオプシーでCAR T細胞療法後の早期再発をモニタリングする
Monitoring of Circulating Tumor DNA Improves Early Relapse Detection After Axicabtagene Ciloleucel Infusion in Large B-Cell Lymphoma: Results of a Prospective Multi-Institutional Trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
September 2021
39
開始ページ
3034

背景

再発・難治性の大細胞型B細胞リンパ腫にはCAR T細胞療法が登場しているが、半数の患者は再発に至る。Stanford UniversityのFrankらには、多施設共同前向研究により、リンパ球除去化学療法の開始時から進行またはaxicabtagene ciloleucel(axi-cel)投与1年後までの血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を頻回モニタリングし、ctDNAの予後的価値を検討した(n=72)。

結論

69名(96%)で、腫瘍クロノタイプが検出された。治療前のctDNA濃度は、axi-cel投与後の進行、サイトカイン放出症候群/免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群と関連した。axi-cel投与1週間後にctDNAが検出されなかった患者の割合は、持続的奏効患者では70%(23/33名)、進行患者では13%(4/31名)であった。無増悪生存期間は、28日時点でctDNAが検出された患者で中央値3ヵ月、非検出患者では中央値未達であり、全生存期間はそれぞれ19ヵ月、中央値未達であった。持続的な奏効がみられた患者はすべて、3ヵ月目までにctDNAが検出されなかった。

評価

ctDNAは疾患再発や副作用を予測することができた。PET-CTなどにも付加的価値を持っており、CAR T細胞療法後の後続治療を探索する上で重要なバイオマーカーとなる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)