横紋筋肉腫のゲノム分類と臨床的リスクを国際調査
Genomic Classification and Clinical Outcome in Rhabdomyosarcoma: A Report From an International Consortium

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology
年月
September 2021
39
開始ページ
2859

背景

横紋筋肉腫は、小児の軟部悪性腫瘍としては最も一般的であり、PAX-FOXO1融合遺伝子を除けばリスク層別化に役立つ分子・遺伝子マーカーは知られていない。アメリカNational Institutes of HealthのShernらは、Children's Oncology Group(1998〜2017年)およびmalignant mesenchymal tumor and RMS2005(1995〜2016年)の臨床試験登録患者から採取された腫瘍サンプルを用い、横紋筋肉腫におけるドライバー変異の発生率と臨床アウトカムとの関連を検討した(n=641)。

結論

腫瘍あたり中央値1つの変異が認められた。FOXO1陰性例では、50%超でRas経路のメンバーに変異が認められ、21%はドライバー変異が認められなかった。BCOR変異(15%)・NF1変異(15%)・TP53変異(13%)は既存の報告よりも高頻度でみられ、TP53変異はFOXO1陰性・陽性の双方でアウトカム不良と関連した。Rasアイソフォームの変異の多く(64%)は、1歳未満の患者でみられた。MYOD1変異は紡錘細胞型以外でも認められ、高年齢・頭頸部原発・生存率悪化と関連した。

評価

2つの大規模コホートを元に、横紋筋肉腫のゲノムランドスケープを更新した。(FOXO1に加えて)TP53とMYOD1の意義が明らかにされ、今後の治療開発や臨床試験デザインに取り入れられるだろう。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)