術前治療後に残存するトリプルネガティブ乳がんではプラチナベース化学療法よりカペシタビン:ECOG-ACRIN EA1131試験
Randomized Phase III Postoperative Trial of Platinum-Based Chemotherapy Versus Capecitabine in Patients With Residual Triple-Negative Breast Cancer Following Neoadjuvant Chemotherapy: ECOG-ACRIN EA1131
背景
術前治療後にも浸潤性疾患が残存するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対しては、術後カペシタビンが有効であることをCREATE-X試験が実証した。Vanderbilt University Medical CenterのMayerらは、術前化学療法後に浸潤性疾患が残存するステージII・IIIのTNBC患者を、プラチナ化学療法またはカペシタビンに割り付けるランダム化比較試験を実施した。
結論
Basal-like型患者の3年無浸潤性疾患生存率は、プラチナ化学療法群で42%、カペシタビン群で49%であった。グレード3・4の毒性はプラチナ製剤でより多く見られた。これらの中間結果を受け、400人がランダム化された後、試験は中止された。
評価
もともとは経過観察を対照群としていたものの、CREATE-X試験でのカペシタビン有効結果を受けて対照治療を変更した試験である。プラチナ化学療法はiDFSを改善せず、毒性イベントも増加した。今後もこの設定ではカペシタビンが標準治療と見なされる。