HER2変異肺がんにトラスツズマブ デルクステカンが有効か:DESTINY-Lung01試験
Trastuzumab Deruxtecan in HER2-Mutant Non-Small-Cell Lung Cancer
背景
HER2変異は非小細胞肺がん(NSCLC)の2%以上でみられるとされるが、承認された抗HER2療法は存在しない。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのLiらは、標準治療に抵抗性のHER2変異転移性NSCLC患者に対して、HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカンを投与し、有効性と安全性を評価する多国籍第2相試験DESTINY-Lung01を実施した(n=91)。
結論
55%で客観的奏功を認めた。奏効持続期間は中央値9.3ヵ月で、無増悪生存期間は8.2ヵ月、全生存期間は17.8ヵ月であった。グレード3以上の有害事象は46%の患者で発生し、好中球減少症が多かった。また、薬剤関連の間質性肺疾患が26%で発生し、2名が死亡した。
評価
肺がんにおけるHER2変異が、EGFRやALKと同様に有効な治療標的であることを示唆した。この結果によりFDAのBreakthrough Therapy指定を受けている。