再発・難治B-NHLにCD3/CD20を標的とする二重特異性抗体epcoritamab
Dose escalation of subcutaneous epcoritamab in patients with relapsed or refractory B-cell non-Hodgkin lymphoma: an open-label, phase 1/2 study
背景
複数の治療歴を持つ難治・再発性のB細胞リンパ腫患者に対する治療薬は重要なアンメットニーズであり、特にCAR-T細胞療法以外のオプションが待ち望まれている。デンマークRigshospitaletのHutchingsらは、再発・難治CD20+成熟B細胞非ホジキンリンパ腫の成人患者を対象に、CD20/CD3二重特異性抗体epcoritamab(GEN3013)皮下投与の安全性と推奨用量の確立を目的とする第1/2相用量漸増試験を実施した(n=73)。
結論
68名で皮下投与が行われた。用量制限毒性は発生せず、最大耐量に達しなかった。第2相推奨用量は48 mgに決定された。グレード3以上のCRSはなかった。治療関連有害事象による中止や治療関連死はなかった。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫による客観的奏効率は68%で、12〜60 mgの投与を受けた患者の45%で完全奏効を達成した。48 mgでは客観的奏効率88%、完全奏効率38%であった。濾胞性リンパ腫患者では90%で客観的奏功、0.76〜48 mgの投与を受けた患者の50%で完全奏効を達成した。
評価
CD3とCD20を標的とする二重特異性抗体で、再発・難治NHL患者での単剤投与により高い奏効率を示した。現在、第2相、第3相試験が進行中である。