膵がんでのPARP阻害薬rucaparib維持療法、PALB2変異患者にも効果:第2相試験
Phase II Study of Maintenance Rucaparib in Patients With Platinum-Sensitive Advanced Pancreatic Cancer and a Pathogenic Germline or Somatic Variant in BRCA1, BRCA2, or PALB2
背景
BRCA変異を持つ進行膵がんの維持療法としてPARP阻害薬オラパリブが承認されているが、同じ対象にrucaparibは役割を持つことができるか。University of PennsylvaniaのReissらは、BRCA1/BRCA2/PALB2の生殖細胞系列・体細胞系列病原性バリアントを有し、プラチナ化学療法を受けている進行膵がん患者を対象に、化学療法に変えてrucaparibを投与する第2相試験を実施した(n=46)。
結論
生殖細胞系列(g)BRCA2が27名、gBRCA1が7名、gPALB2が6名、体細胞系列(s)BRCA2が2名であった。6ヵ月無増悪生存率は59.5%、PFS中央値は13.1ヵ月、全生存期間中央値は23.5ヵ月であった。評価可能な36名での客観的奏効率は41.7%、病勢コントロール率は66.7%であった。奏効持続期間は中央値17.3ヵ月であった。奏効は、gBRCA2患者の41%、gPALB2患者の50%、sBRCA2の50%で生じた。
評価
オラパリブはPOLO試験において有効性を確立しているが、rucaparibも有望性を示した。PALB2変異患者でも6人中3人に奏効がみられたことは、PARP阻害薬の恩恵を拡大しうる知見である(https://doi.org/10.1200/JCO.20.02151)。