進行食道がんファーストラインでペムブロリズマブ+化学療法で生存期間延長:KEYNOTE-590試験
Pembrolizumab plus chemotherapy versus chemotherapy alone for first-line treatment of advanced oesophageal cancer (KEYNOTE-590): a randomised, placebo-controlled, phase 3 study
背景
免疫チェックポイント阻害薬は胃がん・消化器がんにおいても大きな役割を果たしていくことが期待されている。韓国Sungkyunkwan UniversityのSunらは、世界26ヵ国168施設の未治療の局所進行・切除不能・転移性の食道がん・Siewert type 1食道胃接合部がん患者を対象に、5-FU・シスプラチン化学療法に加えてペムブロリズマブまたはプラセボを投与する第3相ランダム化比較試験KEYNOTE-590を実施した(n=749)。
結論
フォローアップ期間中央値22.6ヵ月時点での第一回中間解析における全生存期間ハザード比は、PD-L1 CPSが10以上の食道扁平上皮がん患者で0.57、食道扁平上皮がんで0.72、PD-L1 CPSが10以上の患者で0.62、患者全体で0.73と、いずれもペムブロリズマブ群で優った。無増悪生存期間についてもペムブロリズマブはプラセボを上回った。グレード3以上の治療関連有害事象はペムブロリズマブ群の72%、プラセボ群の68%で発生した。
評価
セカンドライン使用を検証したKEYNOTE-181試験では化学療法を上回る成績を残しており、ファーストラインにおける化学療法への上乗せでも効果を示した。CheckMate 649試験のニボルマブ+化学療法と併せて、新たに標準治療の一部となるだろう。

