タモキシフェンの減量は可能か:KARISMA試験
Low-Dose Tamoxifen for Mammographic Density Reduction: A Randomized Controlled Trial
背景
タモキシフェンは乳がんの補助ホルモン療法薬として標準的に利用されるが、さまざまな副作用があり患者にとって負担となる。スウェーデンKarolinska InstitutetのErikssonらは、同国のマンモグラフィ検診プログラムに参加する40〜74歳女性を招待し、6ヵ月間にわたり1 mg、2.5 mg、5 mg、10 mg、20 mgのタモキシフェンまたはプラセボの投与を行い、マンモグラフィ密度の低下に関する非劣性性を検証する第2相ランダム化非劣性試験KARISMAを実施した(n=1,439)。
結論
ITT解析には1,230名が含まれた。マンモグラフィ相対密度の低下は20 mg群で中央値10.1%であり、2.5 mg群、5 mg群、10 mg群はこれに非劣性であった。この知見は閉経前女性でのみ認められた。重度の血管運動性症状は、20 mg群と比べて2.5 mg群、5 mg群、10 mg群で50%程度減少した。
評価
マンモグラフィ密度を代替エンドポイントとして用い、タモキシフェン減量によっても標準用量に劣らない効果が見込めることを示唆した。あくまで代替エンドポイントによる検証であり、今後は2.5 mgタモキシフェンでの乳がんリスク低下を検証する必要があるが、ホルモン療法のアドヒアランス問題に糸口をもたらす知見である。