高齢・フレイル患者での化学療法減量:GO2試験
Efficacy of Reduced-Intensity Chemotherapy With Oxaliplatin and Capecitabine on Quality of Life and Cancer Control Among Older and Frail Patients With Advanced Gastroesophageal Cancer: The GO2 Phase 3 Randomized Clinical Trial
背景
高齢者やフレイルを有する患者はがんの臨床試験から除外されることが多く、この患者集団に対する最良の治療には十分なエビデンスがない。イギリスUniversity of LeedsのHallらは、高齢やフレイルのために標準的な併用化学療法に不適と判断された食道胃接合部がん患者を対象に、主治医と患者が化学療法適応と判断した場合は、オキサリプラチン+カペシタビンの3つの投与レベルA・B(Aの80%)・C(Aの60%)に1:1:1で割り付けるCHEMO-INTENSITYランダム化を、適応が確実でないと判断した場合は、Cレベルの投与またはベストサポーティブケア(BSC)に1:1で割り付けるCHEMO-BSCランダム化を行う多施設ランダム化非劣性試験GO2を実施した。
結論
514名が、CHEMO-INTENSITYに参加した。無増悪生存期間に関して、Bレベル、CレベルともAレベルへの非劣性が確認された(ハザード比1.09, 1.10)。有効性・毒性・QOL・患者価値/受忍性を組み合わせた患者経験(Overall Treatment Utility)は、Cレベルで良好であった。若い患者、フレイルの程度が軽い患者サブグループにおいても、OTUはCレベルで良好であった。CHEMO-BSCには45名が参加した。全生存期間は化学療法群で6.1ヵ月、BSC群で3.0ヵ月と、化学療法群で有意に長かった(ハザード比0.69)。
評価
現在の標準よりもはるかに低い用量による化学療法は、高齢・フレイル患者のPFSを大きく損なわず、毒性や患者にとっての治療価値を示すOTUも良好であった。高齢がん患者での意思決定最適化に、機能評価が果たす役割は大きい。


