RET融合肺がんにRET阻害薬pralsetinib登場:第1/2相ARROW試験
Pralsetinib for RET fusion-positive non-small-cell lung cancer (ARROW): a multi-cohort, open-label, phase 1/2 study
背景
RET融合遺伝子変異は非小細胞肺がん(NSCLC)の1〜2%にみられ、近年、これを標的とするRET阻害アプローチが注目されている。Massachusetts General HospitalのGainorらは、世界13ヵ国のRET融合遺伝子陽性NSCLCを含む局所進行・転移固形がん患者を対象とした第1/2相試験ARROWを行い、経口選択的RET阻害剤pralsetinibの安全性・忍容性・抗腫瘍活性を評価した。
結論
登録されたRET融合遺伝子陽性NSCLC患者233名のうち、登録カットオフ日までにプラチナ化学療法歴のある92名、治療歴のない29名がpralsetinib投与を受けた。全奏効率は、プラチナ化学療法歴のある患者で61%、治療歴のない患者で70%であり、完全奏効率はそれぞれ6%、11%であった。グレード3以上の治療関連有害事象として、好中球減少症、高血圧、貧血が、233名の10%以上で見られた。治療関連死亡はなかった。
評価
甲状腺がんコホートでの結果と合わせて(https://doi.org/10.1016/S2213-8587(21)00120-0)、FDA承認につなげた。第3相AcceleRET-Lung試験が進行中である(NCT04222972)。RET阻害剤ではselpercatinibも第3相検証に進んでいる。


