HER2陽性進行大腸がんでもtrastuzumab deruxtecanが有望:DESTINY-CRC01試験
Trastuzumab deruxtecan (DS-8201) in patients with HER2-expressing metastatic colorectal cancer (DESTINY-CRC01): a multicentre, open-label, phase 2 trial
背景
Trastuzumab deruxtecan(DS-8201)は、抗HER2抗体とトポイソメラーゼI阻害薬からなる抗体‐薬物複合体(ADC)で、HER2陽性の乳がんや胃がんのサードライン治療として検証が進められてきた。イタリアUniversita degli Studi di MilanoのSienaらは、2ライン以上の治療歴を有するHER2発現転移大腸がん患者を、HER2発現レベルにより3つのコホートに登録し、trastuzumab deruxtecanを投与し抗腫瘍活性・安全性を評価する第2相試験DESTINY-CRC01を実施した(n=78)。
結論
HER2陽性でIHC3+またはIHC2、ISH陽性のコホートA患者(n=53)では、フォローアップ期間中央値27週で、45.3%に客観的奏功が報告された。グレード3以上の治療下発現有害事象として、好中球数減少症と貧血が多く(10%以上)報告された。間質性肺疾患は5名(6%)で発生し、うち2名が治療関連死した。
評価
胃がんサードラインを対象としたDESTINY-Gastric01試験でも良好な第2相成績を示した同薬(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2004413)が、大腸がんでも有望性を示した。


