HER2陽性進行大腸がんでもtrastuzumab deruxtecanが有望:DESTINY-CRC01試験
Trastuzumab deruxtecan (DS-8201) in patients with HER2-expressing metastatic colorectal cancer (DESTINY-CRC01): a multicentre, open-label, phase 2 trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Lancet Oncology
年月
June 2021
22
開始ページ
779

背景

Trastuzumab deruxtecan(DS-8201)は、抗HER2抗体とトポイソメラーゼI阻害薬からなる抗体‐薬物複合体(ADC)で、HER2陽性の乳がんや胃がんのサードライン治療として検証が進められてきた。イタリアUniversita degli Studi di MilanoのSienaらは、2ライン以上の治療歴を有するHER2発現転移大腸がん患者を、HER2発現レベルにより3つのコホートに登録し、trastuzumab deruxtecanを投与し抗腫瘍活性・安全性を評価する第2相試験DESTINY-CRC01を実施した(n=78)。

結論

HER2陽性でIHC3+またはIHC2、ISH陽性のコホートA患者(n=53)では、フォローアップ期間中央値27週で、45.3%に客観的奏功が報告された。グレード3以上の治療下発現有害事象として、好中球数減少症と貧血が多く(10%以上)報告された。間質性肺疾患は5名(6%)で発生し、うち2名が治療関連死した。

評価

胃がんサードラインを対象としたDESTINY-Gastric01試験でも良好な第2相成績を示した同薬(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2004413)が、大腸がんでも有望性を示した。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)