KRAS p.G12C変異を有する進行肺がんでsotorasibが効果:第2相CodeBreaK100試験
Sotorasib for Lung Cancers with KRAS p.G12C Mutation
背景
KRASは多くの悪性腫瘍で変異するがん遺伝子であるが、現在までのところKRAS阻害アプローチは難航している。University of Texas M.D. Anderson Cancer CenterのSkoulidisらは、標準治療歴のあるKRAS p.G12C変異非小細胞肺がん患者を対象に、KRAS G12C阻害薬sotorasibを経口投与し、臨床活性と安全性を評価する第2相試験CodeBreaK100を実施した(n=126)。
結論
81%の患者はプラチナベース化学療法とPD-1/PD-L1阻害薬、両方の治療歴を有した。奏効が評価された124名のうち、客観的奏功は46名(37.1%)に認められ、うち完全奏効は4名(3.2%)、部分奏効が42名(33.9%)であった。奏効持続期間は中央値11.1ヵ月であった。病勢コントロールは100名(80.6%)で達成された。無増悪生存期間は6.8ヵ月、全生存期間は12.5ヵ月であった。治療関連有害事象は69.8%の患者で発生し、うちグレード3事象は19.8%、グレード4事象は0.8%であった。
評価
Undruggableとも言われてきたKRAS変異であったが、この試験ではファースト・イン・クラスのKRAS G12C阻害剤が有望な奏効成績を示し、この知見を確認する第3相試験、CodeBreaK 200が進行中である(NCT04303780)。併載された論文は、KRAS G12C阻害薬への耐性獲得メカニズムを検討している(https://doi.org/10.1056/NEJMoa2105281)。