BRCA変異乳がんへの術後オラパリブで再発減:OlympiA試験
Adjuvant Olaparib for Patients with BRCA1- or BRCA2-Mutated Breast Cancer
背景
PARP阻害薬オラパリブは、BRCA1・BRCA2変異を有するがんに高い有効性を示しているが、乳がん術後での効果は。イギリスInstitute of Cancer ResearchのTuttらは、BRCA1・BRCA2生殖細胞系列変異を有する高リスクなHER2陰性乳がん患者を対象に、手術、放射線療法、および必要に応じて術後補助化学療法の後、1年間のオラパリブまたはプラセボ投与を行うランダム化比較試験OlympiAを実施した(n=1,836)。
結論
3年無浸潤性疾患生存率は、オラパリブ群85.9%、プラセボ群77.1%であった(ハザード比0.58)。3年無病生存率はそれぞれ87.5%、80.4%であった(0.57)。オラパリブ群の死亡数はプラセボ群よりも少なかったが(59名 vs. 86名; ハザード比0.68)、中間解析時点では有意差に至らなかった。安全性データは既知のプロファイルと一致していた。
評価
アジュバント設定でPARP阻害剤を検証する初めての報告で、高い再発抑制効果を示した。再発高リスクのBRCA陽性早期乳がんにおける新たな標準治療となるだろう。