進行精巣腫瘍の予後は改善している:IGCCCG-Updateコンソーシアム
Survival and New Prognosticators in Metastatic Seminoma: Results From the IGCCCG-Update Consortium
背景
International Germ-Cell Cancer Collaborative Groupによって1997年に報告されたIGCCCG分類は、精巣腫瘍の予後予測や治療選択に用いられてきた。スイス University of BernのBeyerらは、1990年から2013年にシスプラチン・エトポシドベースの初回化学療法を受けた進行精上皮腫患者2,451名のコホート(IGCCCG-Updateコンソーシアム)において、オリジナルのIGCCCG分類を再評価し、追加しうる予後変数を探索、さらに764名の独立検証セットでこれらを検証した。
結論
5年無増悪生存率(PFS)はgood prognosis群で89%、intermediate prognosis群で79%であった(1997年ではそれぞれ82%・67%)。5年生存率(OS)は95%、88%であり、こちらも1997年の86%、72%から改善していた。新たな予後不良因子として、LDHが同定された。Good prognosis群において、LDHが正常値上限の2.5倍以上の患者は3年PFSが80%、3年OSが92%と、LDH低値患者の92%、97%よりも低かった。
評価
IGCCCG分類のアップデートを精巣腫瘍の予後がさらに改善していること、LDHを加えることでIGCCCGによる予後予測をさらに精緻化しうることを示した。IGCCCG Updateからのもう一報の論文では、非セミノーマでの新規予後予測モデルも提供されている(https://doi.org/10.1200/JCO.20.03296)。