新型コロナワクチン、がん患者では2回接種しないと有効性低い
Safety and immunogenicity of one versus two doses of the COVID-19 vaccine BNT162b2 for patients with cancer: interim analysis of a prospective observational study
背景
新型コロナウイルスSARS-CoV-2に対しては複数のワクチンが有効性と安全性を示しているが、これらの承認につながった臨床試験ではがん患者が除外されており、がん患者における有効性・安全性プロファイルは不明である。イギリスFrancis Crick InstituteのMoninらは、2020年12月8日〜2021年2月18日にロンドンの3施設からがん患者（n=151）と健康対照者（n=54）を募集し、12月29日までの参加者にはファイザー社ワクチン（BNT162b2）30 μgを21日間隔で二回、それ以降の参加者には一回のみを投与し、安全性・免疫原性を評価した。
結論
SARS-CoV-2に曝露された者を除いた免疫原性解析では、一回目接種後1日目の抗S IgG抗体陽性率は、健康対照者で94%、固形がん患者で38%、血液がん患者で18%であった。21日目のブースト接種後2週間で血液サンプルが利用可能であった者の陽性率は、健康対照者で100%、固形がん患者で95%、血液がん患者で60%であり、ブースト接種を受けなかったものではそれぞれ86%、30%、11%であった。
評価
一回の接種では抗体陽転率が低いとする報告は他にもある（https://doi.org/10.1016/j.annonc.2021.04.019）。優先的に二回接種を受けるべき集団と認識される必要がある。
