成人バーキットリンパ腫の国際予後指標BL-IPIを開発
Burkitt Lymphoma International Prognostic Index
背景
バーキットリンパ腫(BL)は特有の生物学的特徴・臨床経過を有するが、これに特化した標準的予後予測モデルはない。 Brown UniversityのOlszewskiらは、2009-2018年にアメリカで免疫化学療法を受けた成人BL患者のデータセット(n=633)から、無増悪生存と最も強く相関する変数を特定し、BL国際予後指標(BL-IPI)を導出し、ヨーロッパ・カナダ・オーストラリアの外部データセット(n=457)で検証した。
結論
年齢が40歳以上、パフォーマンスステータスが2以上、血清LDHが正常上限の3倍超、CNS病変が、独立した予後因子として選択された。BL-IPIは、患者の18%を低リスク(リスク因子が0個)、36%を中リスク(リスク因子が1個)、患者の46%を高リスク(リスク因子が2個)に分類し、3年無増悪生存率はそれぞれ92%、72%、53%、3年全生存率はそれぞれ96%、76%、59%であった。BL-IPIは、HIV感染の有無やステージ、初回化学療法に係らずアウトカムを予測可能であった。結果は検証コホートにおいても一貫しており、3年無増悪生存率はそれぞれ96%、82%、63%であった。
評価
BL-IPIは、成人BL患者の生存アウトカムを明確に層別化することができた。高リスク患者での新規治療法の開発や、低リスク患者では治療のデ・エスカレーションの検討など、今後の研究の基礎となる国際指標である。