重治療歴の再発・難治多発性骨髄腫にペプチド-薬物複合体melflufenが登場:第2相HORIZON試験
Melflufen and Dexamethasone in Heavily Pretreated Relapsed and Refractory Multiple Myeloma
背景
多発性骨髄腫(MM)の治療は、今世紀に入り様々な薬剤が登場し改善を見ているが、なお完治は困難であり、多クラス不耐・抵抗性患者での治療が課題となっている。Dana-Farber Cancer InstituteのRichardsonらは、ポマリドミドまたは抗CD38モノクローナル抗体に抵抗性の再発難治多発性骨髄腫(RRMM)患者において、ペプチド薬物複合体(PDC)melflufenとデキサメタゾンを併用する第2相試験HORIZONを実施した(n=157)。
結論
患者の治療歴は中央値5ラインで、76%はトリプルクラス抵抗性疾患であった。全奏功率は全体で29%、トリプルクラス抵抗性集団で26%であった。奏功期間は中央値5.5ヵ月、無増悪生存期間は4.2ヵ月、全生存期間は11.6ヵ月であった。グレード3以上の有害事象は96%で発生し、好中球減少症、血小板減少症、貧血が多くみられた。
評価
ファーストインクラスのPDCで、4ライン以上の治療歴を持つRRMM患者で臨床的に意味のある奏功を示し、この結果に基づきFDAの優先審査品目に指定された。第3相OCEAN試験が進行中である(NCT03151811)。