レビューのレビューで明らかにする 大腸がんを予防する食事、リスクとなる食事
Role of Diet in Colorectal Cancer Incidence: Umbrella Review of Meta-analyses of Prospective Observational Studies
背景
大腸がんは食生活との関連が特に詳細に研究されているがんで、既に膨大な研究があり、これらをまとめたメタアナリシスも多く実施されている。University of UtahのVeettilらは、特定の食事パターン・食品・食品カテゴリ・飲料・主要栄養素・微量栄養素と大腸がん罹患率との関連を評価したエビデンスを総合的に評価すべく、コホート研究デザイン前向観察研究のメタアナリシスのみを対象としたアンブレラレビューを実施した。
結論
109種の関連性について検討した45件のメタアナリシスが選択された。109種中35種(32.1%)は、ランダム効果メタアナリシスモデルを用いており統計的に有意の関連であった。17種(15.6%)は研究間の異質性が大きく、11種(10.1%)は出版バイアスなどの小規模研究効果を認めた。Excess significance biasは検出されなかった。一次解析では、67.9%に関連の証拠なし、16.5%にweakな関連、9.2%にsuggestiveな、1.8%にhighly suggestiveな関連、4.6%にconvincingな関連が認められた。Convincingな関連は、赤身肉・アルコール摂取との相関、食物繊維・カルシウム・ヨーグルト摂取との逆相関について認められた。
評価
レビューのレビューにより大腸癌と食事に関して少なくとも5種の、説得力のある相関を確定した。乳製品・全粒穀物・加工肉・食事パターンの役割についてはさらに多くの研究が必要と結論されたが、現行のがん予防ガイダンスに支持を与える結果である。

