切除可能肺がんでの術前ニボルマブ・イピリムマブ併用:第2相NEOSTAR試験
Neoadjuvant nivolumab or nivolumab plus ipilimumab in operable non-small cell lung cancer: the phase 2 randomized NEOSTAR trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Nature Medicine
年月
February 2021
27
開始ページ
504

背景

免疫チェックポイント阻害薬は、外科的切除が可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助治療としても有望視されているが、進行NSCLCで有効なイピリムマブの併用は、切除可能NSCLCの術前設定でも力を発揮するのか。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのCasconeらは、切除可能NSCLC患者(n=44)の術前治療としてニボルマブまたはニボルマブ+イピリムマブを投与した第2相ランダム化比較試験、NEOSTARの結果を報告した。

結論

病理学的著効(MPR)は、ニボルマブ単独群患者の5/23名(22%)、ニボルマブ+イピリムマブ併用群の8/21名(38%)で達成された。切除が行われた患者(n=37)でのMPR率は、ニボルマブ単独群24%、併用群50%であった。病理学的完全奏効率はそれぞれ10%、38%と併用群で高かかった。

評価

二剤併用による術前治療が、ニボルマブ単独や、術前化学療法(歴史的対照)を上回る可能性を示唆し、より大規模な試験での検証を正当化した。また本研究は、二剤併用治療と腸内細菌叢の関連を検討している点でも興味深い。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)