ステージIII大腸がん術後化学療法へのセレコキシブ追加は有益性示せず:CALGB/SWOG 80702試験
Effect of Celecoxib vs Placebo Added to Standard Adjuvant Therapy on Disease-Free Survival Among Patients With Stage III Colon Cancer: The CALGB/SWOG 80702 (Alliance) Randomized Clinical Trial

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The Journal of the American Medical Association
年月
April 2021
325
開始ページ
1277

背景

COX-2は大腸がんの発生・進展に関与していることが知られ、COX-2阻害薬による大腸がんの化学予防や、大腸がん治療への追加が検討されている。Dana-Farber/Partners CancerCareのMeyerhardtらは、ステージIII結腸がん患者の術後治療において、3年間のセレコキシブまたはプラセボ、および3ヵ月または6ヵ月のFOLFOX化学療法を割り付ける、2×2要因デザインによる第3相ランダム化比較試験を実施した(n=2,526)。

結論

プロトコル遵守率はセレコキシブ群で70.8%、プラセボ群で69.9%であった。3年無病生存率はセレコキシブ群76.3%、プラセボ群73.4%であった(ハザード比0.89)。セレコキシブの効果は、FOLFOX化学療法の期間によって異ならなかった。5年全生存率はセレコキシブ群84.3%、プラセボ群81.6%であった(0.86)。

評価

Rofecoxib追加を検証した10年前のVICTOR試験の結果は否定的であったが(http://doi.org/10.1200/JCO.2010.29.6244)、本試験においても、セレコキシブ群でわずかに生存率が上昇する傾向がみられたものの、有意差を示すには至らなかった。術後補助アスピリンを検討するASCOLT試験(NCT00565708)、Add-Aspirin試験(NCT02804815)も進行中である。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)