食道がんでの術後補助ニボルマブでDFS延長:CheckMate 577試験
Adjuvant Nivolumab in Resected Esophageal or Gastroesophageal Junction Cancer
背景
II-III期切除可能食道がんでは化学療法・化学放射線療法が術前補助治療として実施されるが、奏効しない患者では再発率が高い。Charles A. Sammons Cancer Center at Baylor University Medical CenterのKellyらは、術前化学放射線療法の後、R0切除が行われた食道・食道胃接合部がん患者の術後治療として、ニボルマブまたはプラセボを2:1で割り付けるランダム化比較試験CheckMate 577を実施した(n=532)。
結論
フォローアップ期間中央値24.4ヵ月で、無病生存期間(DFS)はニボルマブ群で中央値22.4ヵ月、プラセボ群で11.0ヵ月であった(ハザード比0.69)。事前指定された複数のサブグループで、ニボルマブ群のDFSが良好であった。グレード3-4の治療薬関連有害事象は、ニボルマブ群の13%、プラセボ群の6%で発生し、それぞれ9%、3%で治療中止となった。
評価
術前治療で完全奏効とならなかった食道がん患者の術後治療として初めて有効性を示した。新たな標準治療となるだろうが、日本での術前治療は化学療法が一般的でギャップを埋める研究も必要とされる。