全ゲノムシーケンス解析でAML・MDSの管理を最適化する
Genome Sequencing as an Alternative to Cytogenetic Analysis in Myeloid Cancers
背景
急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)のリスク層別化には、細胞遺伝学的分析などのゲノム解析が必要不可欠であるが、全ゲノムシーケンス(WGS)のポテンシャルは。Washington UniversityのDuncavageらは、263名の患者(うち235名では細胞遺伝学的分析を実施済み)でWGSを行い、WGSの精度、実施可能性、臨床的有用性を検討した。
結論
細胞遺伝学的分析で同定された、40の反復転座と91のコピー数変化すべてがWGSにより検出された。これに加えて17.0%の患者で、新たに臨床的に意義のあるゲノムイベントが同定された。117名の連続患者でのシーケンス解析では、24.8%で新たなゲノム情報がもたらされ、16.2%でリスクカテゴリーが変更された。標準的なAMLリスク分類をWGS結果で行うと、臨床アウトカムと挿管した。また細胞遺伝学的分析で判定保留となった患者でも、WGSにより臨床アウトカムの異なるリスクグループへの層別化が可能になった。
評価
WGSは、AML・MDSの患者において細胞遺伝学的分析よりも高い確診率と正確なリスク分類をもたらした。低コスト化も進んでおり、今後従来検査を置き換えていく可能性もある。