進行肺がん初回治療でのニボルマブ+イピリムマブ+プラチナ併用化学療法:CheckMate 9LA試験
First-line nivolumab plus ipilimumab combined with two cycles of chemotherapy in patients with non-small-cell lung cancer (CheckMate 9LA): an international, randomised, open-label, phase 3 trial
背景
進行した非小細胞肺がん(NSCLC)患者の初回治療におけるニボルマブ・イピリムマブ併用療法は、CheckMate 227試験において化学療法を上回る有効性を示している。スペインHospital Universitario 12 de OctubreのPaz-Aresらは、世界19ヵ国の切除不能・再発NSCLC患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ+プラチナ併用化学療法(2サイクル)または化学療法(4サイクル)のみを割り付ける第3相ランダム化比較試験CheckMate 9LAを実施した(n=719)。
結論
フォローアップ期間中央値9.7ヵ月での事前指定中間解析において、全生存期間は実験群14.1ヵ月、対照群10.7ヵ月(ハザード比0.69)、13.2ヵ月時点ではそれぞれ15.6ヵ月、10.9ヵ月(0.66)と有意に延長した。重篤な治療関連有害事象(全グレード)は、実験群の30%、対照群の18%で発生した。治療関連死はそれぞれ2%、2%であった。
評価
CheckMate 227試験をはじめ、免疫チェックポイント阻害薬と化学療法を比較した臨床試験では、生存曲線がクロスする(治療開始当初は化学療法の成績が優る)現象がしばしばみられる。この治療開始当初に、化学療法を追加することで速やかなコントロールを目指すという発想は理に適っており、進行NSCLCにおける有力なオプションと見なせるだろう。