再発・難治多発性骨髄腫に抗BCMA CAR-T細胞療法Idecabtagene Vicleucel:第2相KarMMa試験
Idecabtagene Vicleucel in Relapsed and Refractory Multiple Myeloma

カテゴリー
がん
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
February 2021
384
開始ページ
705

背景

Idecabtagene vicleucel(ide-cel、bb2121)は、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする第二世代のCAR-T療法であり、再発・難治多発性骨髄腫(r/r MM)患者で有望な臨床活性を示している。Dana-Farber Cancer InstituteのMunshiらは、3クラスの治療歴を有するr/r MM患者を登録し、ide-celの有効性と安全性を確認する第2相試験KarMMaを実施した(n=140)。

結論

128名がide-cel投与を受け、フォローアップ期間中央値13.3ヵ月時点で、94名(73%)で奏効、42名(33%)で完全奏効以上が認められ、33名ではMRD陰性が確認された。無増悪生存期間の中央値は8.8ヵ月であった。毒性として好中球減少症・貧血・血小板減少症が好発し、サイトカイン放出症候群は84%で報告され、5%(7名)はグレード3以上であった。神経毒性は18%で発現した。

評価

ほとんどが3クラス耐性のr/r MM患者で7割の奏効を達成し、この結果をもとにFDAへの申請が行われた。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)