再発・難治多発性骨髄腫に抗BCMA CAR-T細胞療法Idecabtagene Vicleucel:第2相KarMMa試験
Idecabtagene Vicleucel in Relapsed and Refractory Multiple Myeloma
背景
Idecabtagene vicleucel(ide-cel、bb2121)は、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする第二世代のCAR-T療法であり、再発・難治多発性骨髄腫(r/r MM)患者で有望な臨床活性を示している。Dana-Farber Cancer InstituteのMunshiらは、3クラスの治療歴を有するr/r MM患者を登録し、ide-celの有効性と安全性を確認する第2相試験KarMMaを実施した(n=140)。
結論
128名がide-cel投与を受け、フォローアップ期間中央値13.3ヵ月時点で、94名(73%)で奏効、42名(33%)で完全奏効以上が認められ、33名ではMRD陰性が確認された。無増悪生存期間の中央値は8.8ヵ月であった。毒性として好中球減少症・貧血・血小板減少症が好発し、サイトカイン放出症候群は84%で報告され、5%(7名)はグレード3以上であった。神経毒性は18%で発現した。
評価
ほとんどが3クラス耐性のr/r MM患者で7割の奏効を達成し、この結果をもとにFDAへの申請が行われた。