進行乳頭状腎細胞がんで3種のMET阻害薬をスニチニブと比較、カボザンチニブが他を凌駕:第2相SWOG 1500試験
A comparison of sunitinib with cabozantinib, crizotinib, and savolitinib for treatment of advanced papillary renal cell carcinoma: a randomised, open-label, phase 2 trial
背景
進行した乳頭状腎細胞がん(PRCC)の予後は不良であるが、PRCCではMET活性型がしばしばみられ、MET阻害剤が有望視されている。City of Hope Comprehensive Cancer CenterのPalらは、北米の治療歴1ラインまでの転移PRCC患者を、スニチニブ、カボザンチニブ、クリゾチニブ、savolitinibによる治療に割り付ける第2相ランダム化比較試験SWOG 1500を実施した(n=152)。
結論
クリゾチニブ、savolitinibへの割り付けは、事前に設定された無益性解析の後に中止された。無増悪生存期間(PFS)はカボザンチニブ群9.0ヵ月、スニチニブ群5.6ヵ月と、カボザンチニブ群で延長した(ハザード比0.60)。奏効率はそれぞれ23%、4%であった。クリゾチニブ群、savolitinib群では、スニチニブと比したPFSの改善は見られなかった。グレード3・4の有害事象は、スニチニブ群69%、カボザンチニブ群74%、クリゾチニブ群37%、savolitinib群39%で発生し、カボザンチニブ群では1例のグレード5血栓塞栓イベントが発生した。
評価
期待されていた選択的MET阻害薬savolitinibなどは結果を残せなかったものの、カボザンチニブ群はスニチニブを上回るPFSを示した。スニチニブを置き換える新たな標準治療となりうる。